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接着のメカニズム
接着のメカニズム
接着の役割接着の原理から言えば接着剤と被着材はその分子間力の及ぶ範囲に接近していなければなりません。ここで「ぬれ」ということが大事になります。油の上に水を落しても水は拡がりません相溶性(親和性)が悪いからです。相性がよく、馴染みがよい時に「ぬれ」が起こり、そこに分子間力が働き接着が可能になるのです。ポリエチレンやポリプロピレンは油のような性質をもっているために接着が困難という訳です。接着剤は被着材の表面をぬらして拡がった後、固まって初めて接着が完了します。液化:接着剤は一般に液体で供給されますが、固体接着剤は加熱によって、感圧形接着剤(粘着剤)は軽い圧力によって、表面をぬらします。ぬれの悪い被着材には表面処理を施します。固化:表面をぬらした接着剤はその種類に応じて固体に転換しなければなりません。溶剤形接着剤と水性接着剤は溶剤や水を蒸発、吸収、拡散などによって、ホットメルト接着剤は冷却によって、反応形接着剤は化学反応(硬化剤や触媒の添加、湿気、熱、光など)によって固化又は硬化します。使用条件への適合:接着のプロセスとしては最終的な破壊に至る領域ですが、接合部の設計、接着剤の選択及び接着工程の管理によって支配されます。
[ 2017 - 04 - 01 ]
新しい接着の考え方
新しい接着の考え方
機能性接着剤接着剤は本来、物と物とを接合するのが基本機能です。しかし最近ではその硬化方法や接着スピードに多様性が求められ、さらに硬化後の接着層に導電性や耐久性などのいろいろな働きがもとめられるようになりました。例えばレンズの接着にはガラスと同じ屈折率の透明性が要求されます。このような接着機能以外の特性を強調した接着剤を総称して機能性接着剤と呼びます。弾性接着剤この機能性接着剤の中で特に接着層に耐久性を意識して設計されたのが「セメダイン弾性接着剤」として発売されています。この弾性接着剤は、従来の力学的機能を強調した接着剤、すなわち力を効率よく伝達する高強度、高剛性のものを構造用接着剤ということからすれば力を伝えにくい、そのエネルギーを吸収するような性質のものといえます。弾性接着剤は硬化後ゴム状弾性体となり、その柔軟な中間層の存在により従来の接着剤にはないさまざまな特長を持っています。接着剤の今後の展望接着剤にはますますいろいろな機能が求められるようになるでしょう。理想的には必要な性能を必要な期間維持し、不要になった時自然に、あるいは容易に消滅又は解体できるような接着剤が望まれます。接着製品のリサイクルを前提にした接着技術がいま求められています。また材料的には生体用接着剤として蛋白質によるバイオ接着剤が期待されています。セメダインはこれからも将来に向けさまざまな「つける」ことの可能性に挑戦していきます。あらためて接着とは?物を接合する形は様々です。しかし、最も安定した形は、できるだけ広い面積を使って接合した形であるはずです。いくつかある接合方法のなかで、接着の方法が極めて現代的な感覚をもっているのはこのように理論的根拠が明確であるからでしょう。リベットは点接合、溶接は線接合、そして接着は面接合。このように点、線、面とならべてみるとそれぞれの接合方法の中で接着の方法が最も新しい可能性に富み、特に異種材料の接合においてはすべての接合方法の基本であることが明らかになります。応力の分散は、接着接合、すなわち面接合によって最大限に達します。接合面全体に応力が分散され接着力、繰り返し応力に対する抵抗性を高めるために合理的な接合部設計が行われます。更に、面接合は水密、気密、電気絶縁、断熱などに直接的な効果があります。このように面があって初めて接着の接合方法としての価値があるのです。接...
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接着剤の選び方
接着剤の選び方
1.何と何を接着する?接着剤の選定というのは思ったより難しいものです。接着剤そのものが種類が多く更に使用方法や条件が複雑で組み合せが多岐にわたるからです。しかしその中で意外に忘れやすいのはつけるものが本当に接着が可能な材料なのかどうかということです。原価低減により安いポリエチレン部品を採用したところ結局接着ができずむしろ高い物についてしまったなどのご経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。まず接着する材料の性質を良く検討した上で接着剤を選ぶ必要があります。2.使用目的は接着剤をどのような目的、用途で使用するのか。強力な構造接着か、一時的な仮止め接着か、充填接着か、あるいはコーティング材として使用するのかで選ぶ接着剤の種類も変わってきます。例えば力を伝達しなければいけない金属同士の構造接着で力を吸収、緩和する弾性接着剤を選んでも意味がありません。また、充填接着剤の中でもポッティングの場合は流れやすい低粘度のものが必要ですが、反対に垂直面などに接着する場合は流れを止めた高粘度の接着剤が必要になります。目的、用途に合う接着剤を選択するにはその接着剤の基本的な性状、性質を見極めなければなりません。3.接着後の条件被着材への接着性と目的、用途に合う接着剤のグループが選択できましたら次は接着した後はどのような条件が加わるのかを考えてみましょう。常に水や薬品がかかる、高温にさらされる、振動がかかるなどの条件を十分に把握して、それに見合う接着剤の性能を選びます。せん断接着力が200キロもあるからと言って屋外の振動のかかるところに瞬間接着剤を使用してはいけません。3.接着後の条件被着材への接着性と目的、用途に合う接着剤のグループが選択できましたら次は接着した後はどのような条件が加わるのかを考えてみましょう。常に水や薬品がかかる、高温にさらされる、振動がかかるなどの条件を十分に把握して、それに見合う接着剤の性能を選びます。せん断接着力が200キロもあるからと言って屋外の振動のかかるところに瞬間接着剤を使用してはいけません。3.接着後の条件被着材への接着性と目的、用途に合う接着剤のグループが選択できましたら次は接着した後はどのような条件が加わるのかを考えてみましょう。常に水や薬品がかかる、高温にさらされる、振動がかかるなどの条件を十分に把握して、それに見合う接着剤の性能を選びます。せん...
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接着マメ知識
接着マメ知識
表面処理法プライマー処理プライマー(下塗り剤)は、被着材表面の接着性を改善するために塗布する不揮発分の少ない低粘度液体です。薄く塗ることがポイント。充分に乾いたところで接着剤を塗り重ねます。被着材に応じてプライマーの種類は異なります。また接着剤、シーリング材の種類によってもプライマーは違いますから指定プライマーを使ってください。プライマーの機能には接着性改善のほか、表面処理後の表面安定化、金属表面の防食、粘着性の付与、接着剤の劣化防止など用途によっていろいろな目的が含まれています。機械的処理機械的処理は、研磨紙、研磨布、ワイヤブラシ、サンダー、サンドブラスティングなどを用いて被着材表面を研削して接着性を改善する手法です。表面は内部と違った状態にあり、金属は弱い酸化物層が、プラスチックやゴムは離型剤や配合剤の表面への浮き出し、木材では表面疎水化など接着には適さない状態になっています。この層を取り除いて接着性表面にすることがこの処理の目的です。処理後はできるでけ早く接着剤を適用してください。化学的処理難接着性表面の改質あるいは耐久接着を実現するために薬剤を用いて表面を処理する方法です。難接着プラスチックを含め化学的処理はJISK6848にその方法が示されていますが、実験室ならともかく現場では実用的ではないと思われます。ただし、機械的処理の困難な金属製軽薄部品などでは、信頼性の高い接着を得るために化学的処理を行っています。航空機のアルミやチタン合金で接着前処理としての必須工程になっているのは、耐久性確保のためです。物理的処理主にプラスチックの表面改質に用いられる処理で、紫外線照射処理コロナ放電処理プラズマ処理などがあります。1.はエネルギーの強い短波長の紫外線を利用する方法ですが、プラスチックの種類によって紫外線の吸収度が違いますから確認が必要です。2.は固定電極と誘電体でカバーされた接地ロール間に高周波の高電圧を印加し、発生するコロナ放電の中をプラスチックを通過させて処理する方法です。フィルムやシートに多用されています。3.は真空下で処理ガスを用い、グロー放電により表面改質する方法です。装置の関係から工業利用は一部に限られています。 試験方法1.引張り接着強さJISK6849(1994)接着マメ知識接着面に垂直な引張り荷重により測定する方法2.引張りせん断接着...
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